Hebiの日記

白い紙と暮らす日々

できたてほやほや

放射冷却で霜が降りた今朝、一面枯れ草でおおわれた空き地に家々の影が落ちていた。そのまわりには数分前の影の形が、白い霜としてきらきらと溶け残っている。

ベランダでは干したばかりの洗濯物が、盛大に湯気をたてていて、なんだか美味しそうに見えてしまった。

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絵本ナビと『だめだめママだめ!』がすてきすぎる

 全ページ読める! 業界に革命を起こした「絵本ナビ」( http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20111201/1038823/?rt=nocnt )を読んで、なるほど、絵本ならではのアプローチだと感心して、絵本ナビに登録しました。

で、今日試し読みしたのが、前から気になっていたこの本。

『だめだめママだめ!』 作:天野 慶 / 絵:はまの ゆか / 出版社:ほるぷ出版

http://www.ehonnavi.net/ehon/81810/%E3%81%A0%E3%82%81%E3%81%A0%E3%82%81%E3%83%9E%E3%83%9E%E3%81%A0%E3%82%81%EF%BC%81/

インタビュー(http://www.ehonnavi.net/specialcontents/report/20111116/)のページに巻末のエッセイが集録されていて、なるほどね、「かんの虫=2、3歳児にしかかからないウイルス」とな、と。

やりたい放題するママと、それをあせりつつ止める(でもちゃっかり一緒に楽しんでいる)子のコントラストがおかしくて、自分まで解放された気分になります。これがあれば大変だと噂に聞いて(方々で実例も見聞きして)いる魔の二歳児とも、心楽しく過ごせそう。

 ちなみに、あるページで「なんだろうこれ」と思っていたものが、最後の方で謎が解けてすっきりする、「絵を読むしかけ」もあちこちにあって、買って何度も読みたくなる絵本でした。

ほんとに小さい子がいると、家にいて試し読みできるのは助かります。図書館も本屋さんも行きたいけど、そうそう長居も出来ないし。これでだいぶ世界が広くなりそうだ…

 

絵本ナビの「ブログに貼りつけ」 が使えません。これ↓をどうしたらいいんだろう…HTML編集画面で貼りつけようとしても受け付けてくれません(泣)

<table style="border:none;"><tr><td style="width:55px; text-align:center; vertical-align:top;"><a href="http://www.ehonnavi.net/ehon/81810/%E3%81%A0%E3%82%81%E3%81%A0%E3%82%81%E3%83%9E%E3%83%9E%E3%81%A0%E3%82%81%EF%BC%81/"><img src="http://www.ehonnavi.net/images/s_Ehon_81810.jpg" alt="だめだめママだめ!" style="border:none;"></a></td><td style="text-align:left; vertical-align:top; font-size:12px;"><a href="http://www.ehonnavi.net/ehon/81810/%E3%81%A0%E3%82%81%E3%81%A0%E3%82%81%E3%83%9E%E3%83%9E%E3%81%A0%E3%82%81%EF%BC%81/">だめだめママだめ!</a><br><span style="font-size:10px;">作:天野 慶 / 絵:はまの ゆか / 出版社:ほるぷ出版</span><img src="http://www.ehonnavi.net/img/logo_navi_small.gif" alt="絵本ナビ" style="display:block; margin:3px 0 0 0;"></td></tr></table> 

見えぬけれどもあるんだよ

朝日が深くさしこむ冬場、西の窓際にある我が家のガスコンロは直射日光を浴びる。

だんだん離乳食がすすんできて、準備でおおわらわだった今朝、よく晴れてるとはいえ、なんか暑いと思っていたら、コンロの火がつけっぱなしになっていて肝を冷やした。

ガスの青い炎は、太陽の光の中で透き通って見えなくなってしまう。昼間出ている月や、満月の夜の星が見えづらいのと同じ。

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金子みすゞ「星とたんぽぽ」 http://www.astrophotoclub.com/misuzu.htm 

この文章を書いた人は亡くなったとトップページ(http://www.astrophotoclub.com/)に書いてある。「宇宙のそこはかとない深さ」を感じていた人がいまはなく、その言葉は残っていて、こうして私が読んでいる。掲示板には故人をしのぶ言葉がつづられている。

アンテナ

息子が眠ったのを見届けると、イヤホンを耳にいれて、泣きだしたら声が聞こえるくらいのボリュームで音楽を聴く。ときどき、しゃくり上げるような音がわざと使われている楽曲があることは、子どもを持ってはじめて気づいたことのひとつだ。

ほかにも子どもの泣き声に似た音はいくつもある。よく言われるのは猫の鳴き声。他にも除湿器が霜取りの時にうなる音、風呂の排水溝に水が吸い込まれる反響音、 パソコンのモーター音。どきっとして、そのたびに身構えて耳をすます。

昔々、私がまだ小さかったころ、弟をねかしつけた母と外へ遊びに出ては、ときどきマサキの生け垣ごしに泣き声が聞こえないかと、ふたりで耳をすませていたことを思い出したりする。 

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朱色の月

洗い髪をしばって、真冬の防寒具を着込み、「月蝕見に行ってくるね」と夫に言うと、珍しく一緒に行くという。カメラと双眼鏡を携えて、ふたりで家の前の駐車場に出た。見える見える、とふたりでささやきあううち、ご近所さんも子ども連れで出てきて、挨拶を交わしたりする。

ほとんど真上に浮かんだ月はおおかた欠けて、片方の縁だけが輝いていた。見あげている間に、全体がほの暗い朱色に沈み込む。歌には「盆のような月」 というけれど、今夜は渋い朱塗りの盆だな、と思う。

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息子が気になって早々に戻ると、豆電球のもとでは丸まるとした頬が、今夜の月と同じ色に染まっていた。 

飛べない鳥

歩いていく先の木立から、スズメの群が一斉に飛び立っていった。葉がすっかり落ちた枝々には、それでもまだ丸っこい鳥影がいくつもあって、スズメにしては警戒心が薄すぎるのをいぶかしんで近づくと、それはキウイフルーツの実だった。

そういえばキウイフルーツの由来は、南の島の飛べない鳥の名前なのだった。 生き物じみた茶色の毛が、冬の日にあたたかげに照らされている。

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